アップル社のコンピュータを使っていてこの10年で気付くのが、何と言っても純正キーボードの使いにくさです。その究極に達したのが、2000年代前半を通してアップル社からマックと供に出荷されたあのキーボードです。「あのキーボード」といのは、キーを打つ度にギシギシ音をたて、構造上からゴミが中に溜まりやすいものです。(写真1参照)また写真2で見てわかるように、キーボードのデザインが変わる度にキーの位置、特に「Caps lock」と「Option」キーの位置が変わるのもアップル・キーボードの特異性です。
![]() 写真1: 資料元 – マックハウス |
![]() 写真2: 資料元 – マックハウス |
![]() 写真3: 資料元 – マックハウス |
さて、このブログの英語の記事でも何度か取り上げていますが、ギシギシ・ボードにも劣らずマック・ユーザーを最近悩ますのがApple Wireless Keyboardです。(写真3参照)2009年の秋に新しいiMacが登場した際にアップル社から出荷されている無線キーボードです。何が悪いかを簡単におさらいしてみると以下の通りです。
とにかく、「この無線キーボードはだめだ」と言って古いマック・キーボードを使おうと思っても、それがギシギシ・ボードだと、どちらを使うか迷う方もいるでしょう。他社製のキーボードを購入すると言っても、マックと使えるものは多くありません。そこで試してみたいのがサンワサプライのMac用キーボード SKB-MAC1です。箱を開けると、「あっ、PC用のキーボードだ」、と思わず考えました。(写真4参照)色が白というよりはベージュで、「num lock」や「caps lock」のライトがあることからでしょうか。
![]() 写真4: 資料元 – マックハウス |
とにかく、まず外見上の特徴を簡単に挙げてみましょうか。
箱にはキーボードの大きさの情報が表示されていなし、寸法を言っても何のこと。そこで過去のマック・キーボードと比較してみました。写真5は2008年あたりに出回っていたマック・キーボードとの比較です。写真で鮮明にわかるのが、サンワサプライのマック用キーボードの縦の長さです。それとサンワサプライのマック用キーボードは淵がかなり厚いですね。右・横・下の淵が大体2センチあります。またキーボードを裏にした写真を見てもわかる通り(写真6参照)、足を立てることができます。そして足を立てると、サンワサプライのマック用キーボードはかなり高くなります。
![]() 写真5: 資料元 – マックハウス |
![]() 写真6: 資料元 – マックハウス |
更にApple Wireless Keyboardと比較したみたのが写真7です。もちろんサンワサプライのマック用キーボードの大きさは前者とは比較になりません。
![]() 写真7: 資料元 – マックハウス |
ところで上の写真を見ると、サンワサプライのマック用キーボードの上部(F11~F14の上)に4つのボタンがあります。音量の調整とディスクを排出するためのものです。このボタンの感触が意外で、結構硬いです。
![]() 写真8: 資料元 – マックハウス |
![]() 写真9: 資料元 – マックハウス |
さて、サンワサプライのマック用キーボードの配列に注意を向けてみましょう。ここ19年間マックを使っていますが、このキーボードの配列は使いにくいですね。何が悪いかと言うと、方向キーが独立していないことが一つ挙げられます。(写真8参照)また少し上にいくと「Home」キーがあり、その左に「Delete」キー(Backspace)があります。「Delete」キーが端にないことで、キーボードを見ずにそれを見つけるのは容易ではありません。もう一つの「Delete」キーはどこにあるかというと、下の「Help」キーの右にあります。キーボードを見ていない限り、手探りでこのキーを見つけるのはこれまた簡単ではありません。続けてキーボードの左を見てみましょう。(写真9参照)「Control」、「Option」、「Command」キーがキーボードの下に並んでいます。「Command」キーが他のキーより大きいのがApple製キーボードの特徴の一つです。このキーボードでは違います。「Command」キーの大きさは他の文字キーの大きさと変わりません。よって、左手の人差し指を「F」キーに置きながら親指で「Command」キーを探そうとしても、なかなかそれに届きません。これだと「Command + Q」や「Command + W」のようなショート・カットを使うのに支障をきたすことになります。更に、過去8・9年間のApple純正キーボードでは「Control」キーは全て左端中央にあります。サンワサプライのマック用キーボードでは「Control」キーは左下に位置しています。Mac OS Xでは「Option」キーを「Control」キーより頻繁に使う人が多いと思いますが、このキーボードではちょっと「Option」キーが隠れた感じです。
最後に結論ですが、サンワサプライのマック用キーボードはその使い易さに問題があります。「Command」キーや他の特別なキーにあまり重要性を意識せずに考えたデザインですね。「Command」キーが左手の親指から届きにくい位置にあり、これがショート・カット・キーの使用に支障をきたすことは間違いがありません。もしキーボードを見ながら作業をするのであれば、このキーボードはそんな悪い製品ではありません。もしキーボードを見ずに作業するのであれば、サンワサプライのマック用キーボードは使い易さを欠いています。またキーボードの淵が広いために、キーボードが全体的に大きく、これはかなり机の領域を占領してしまいます。
長所: Apple Wireless Keyboardと比較すれば、テンキーと他のキーがあることがうれしい。でもそれが普通?
短所: 「Command」キーなどへの重要性を意識していないキーの配列。右のシフト・キーを確実に手探りで見つけるのはまず不可能。キーボードが全体的に大きく、机を占領してしまう。
意見:サンワサプライのマック用キーボードをインターネットで¥1,900を切る値段で見つけることができます。やはり値段がその商品の価値を反映していますね。もしキーボードを見ずに作業するのであれば、あまりこのキーボードは使い易くありません。Apple Wireless Keyboardにテンキーやその他のキーがないということで代替品を探している方々は、値段の易さからこの製品を試してみても損はないでしょう。ただこれから5年・10年も使えるキーボードを探しているマック・ユーザーにはお勧めできません。
関連資料
What Dead Wireless Keyboard Batteries Tell
3 Reasons to Stay Away from Apple Wireless Keyboard (Aluminum Model)
* ここで紹介する製品はマックハウスが独自で購入したものです。ここで紹介することに対する見返りはどなたからも受けていません。